Beyond Imagination with AI.

Midjourneyで想像通りの画像を生成するための完全ガイド

1. はじめに

近年、AI技術の進化は目覚ましく、特に画像生成AIはそのクリエイティブな可能性で多くの注目を集めています。その中でも「Midjourney」は、テキストから高品質な画像を生成する能力で、アーティスト、デザイナー、そして一般のユーザーまで、幅広い層に利用されています。

しかし、「想像通りの画像を生成する」というのは、一見簡単そうに見えて、実は奥深い技術と知識を要します。単にキーワードを羅列するだけでは、期待通りの結果が得られないことも少なくありません。Midjourneyの真の力を引き出すためには、効果的なプロンプトの書き方、様々なパラメータの理解、そして試行錯誤を繰り返す忍耐力が必要です。

この記事では、Midjourneyを始めたばかりの初心者から、さらに表現の幅を広げたい中級者まで、誰もが「想像通り」の画像を生成できるようになるための実践的なガイドを提供します。Midjourneyの基本的な使い方から、プロンプト作成の高度なテクニック、そして最新の機能まで、網羅的に解説していきます。さあ、あなたもMidjourneyで無限の創造性を解き放ちましょう。

2. Midjourneyの基本

Midjourneyは、Discordというチャットアプリケーション上で動作する画像生成AIです。そのため、利用を開始するにはまずDiscordのアカウントを作成し、Midjourneyの公式Discordサーバーに参加する必要があります。

アカウント作成とDiscordへの参加

  1. Discordアカウントの作成: Discordの公式サイトからアカウントを作成します。すでにアカウントをお持ちの場合はスキップできます。
  2. Midjourney公式Discordサーバーへの参加: Midjourneyの公式サイト(https://www.midjourney.com/)にアクセスし、「Join the Beta」または「Join the Discord」ボタンをクリックして、招待リンクから公式サーバーに参加します。[^1]
  3. 利用規約の同意: サーバーに参加後、利用規約に同意する必要があります。指示に従って手続きを進めてください。

基本的なコマンド (/imagine)

Midjourneyで画像を生成する最も基本的なコマンドは/imagineです。このコマンドに続けて、生成したい画像のテキスト説明(プロンプト)を入力します。

使用例:

/imagine prompt: a cat sitting on a bookshelf, cozy atmosphere, warm lighting, highly detailed

このプロンプトを入力すると、Midjourneyボットが数秒から数分で4枚の画像を生成してくれます。生成された画像は、Discordの「newbies」チャンネルや、自身のダイレクトメッセージ(Midjourneyボットとのプライベートチャット)で確認できます。

画像生成のプロセス

  1. プロンプトの入力: Discordのテキストボックスに/imagine prompt:と入力し、続けて生成したい画像の具体的な説明を入力します。プロンプトは英語で記述するのが一般的です。
  2. 画像生成の開始: プロンプトを入力してEnterキーを押すと、Midjourneyボットが画像の生成を開始します。進行状況はパーセンテージで表示されます。
  3. 画像の確認と選択: 生成が完了すると、4枚の画像が表示されます。画像の下には、以下のボタンが表示されます。
    • U1, U2, U3, U4: それぞれの画像をアップスケール(高解像度化)します。Uは「Upscale」の略です。
    • V1, V2, V3, V4: それぞれの画像を元に、似たようなバリエーションを4枚生成します。Vは「Variations」の略です。
    • 🔄: 再度同じプロンプトで画像を生成し直します。

これらのボタンを使って、気に入った画像をさらに高解像度化したり、別のバリエーションを試したりすることができます。納得のいく画像が生成されるまで、このプロセスを繰り返すことが重要です。

[^1]: Midjourney公式サイト: https://www.midjourney.com/

3. プロンプト作成の基礎

Midjourneyで「想像通り」の画像を生成するためには、プロンプト(呪文)の質が非常に重要です。効果的なプロンプトを作成するための基本的な考え方とコツを学びましょう。

プロンプトの構造

プロンプトは、AIに何を生成してほしいかを伝えるための指示です。一般的に、以下の要素を組み合わせることで、より具体的で詳細な指示を与えることができます。

  • 主語(Subject): 何を描くか(例: a cat, a futuristic city
  • 動詞(Verb): 主語が何をしているか(例: sitting, flying
  • 形容詞(Adjective): 主語や背景の様子(例: fluffy, vibrant, mysterious
  • スタイル(Style): 画像の芸術的なスタイルや雰囲気(例: photorealistic, oil painting, anime style
  • 環境/背景(Environment/Background): シーンの場所や状況(例: in a forest, on a spaceship
  • 照明(Lighting): 光の当たり方や種類(例: golden hour, neon light
  • 構図/アングル(Composition/Angle): カメラの視点(例: close-up, wide shot, from above
  • 品質/詳細(Quality/Detail): 画像の品質や細かさ(例: highly detailed, 8k, unreal engine

これらの要素を組み合わせることで、AIが画像を生成する際の「手がかり」が増え、より意図に近い結果が得られやすくなります。

キーワード選定の重要性

プロンプトに使用するキーワードは、AIが画像を解釈する上で非常に重要です。以下の点を意識してキーワードを選定しましょう。

  • 具体的であること: 抽象的な言葉よりも、具体的で明確な言葉を選びましょう。「美しい花」よりも「鮮やかな赤色のバラ」の方が、AIはイメージしやすくなります。
  • 簡潔であること: 長すぎるプロンプトは、AIが混乱する原因になることがあります。必要最低限の言葉で、伝えたいことを明確に表現しましょう。
  • 関連性の高い言葉を選ぶ: 生成したい画像に直接関係する言葉を選びましょう。無関係な言葉を混ぜると、意図しない要素が画像に現れる可能性があります。
  • 英語で記述する: Midjourneyは英語のプロンプトに最適化されています。日本語で入力することも可能ですが、英語の方がより正確な結果が得られる傾向があります。

シンプルなプロンプトから始める

最初は複雑なプロンプトを考える必要はありません。まずはシンプルなプロンプトから始めて、徐々に要素を追加していくのがおすすめです。

例:

  1. a cat (猫)
  2. a fluffy cat (ふわふわの猫)
  3. a fluffy cat sitting on a bookshelf (本棚に座っているふわふわの猫)
  4. a fluffy cat sitting on a bookshelf, cozy atmosphere, warm lighting (本棚に座っているふわふわの猫、居心地の良い雰囲気、暖かい照明)

このように、少しずつ要素を追加していくことで、それぞれの要素が画像にどのように影響するかを理解し、より効果的なプロンプト作成の感覚を掴むことができます。

4. 想像通りの画像を生成するための高度なプロンプトテクニック

基本的なプロンプト作成に慣れてきたら、さらに高度なテクニックを駆使して、より細かく画像をコントロールしてみましょう。ここでは、Midjourneyが提供する様々なパラメータや機能を解説します。

パラメータの活用

プロンプトの末尾に--(ハイフン2つ)に続けて特定のキーワードを追加することで、画像の生成方法を細かく調整できます。これを「パラメータ」と呼びます。

  • --ar <width>:<height> (アスペクト比): 生成する画像の縦横比を指定します。例えば、--ar 16:9は横長の画像、--ar 9:16は縦長の画像を生成します。
  • --v <version> (バージョン): 使用するMidjourneyのモデルバージョンを指定します。最新のバージョン(例: --v 7)を使用することで、より高品質な画像が生成される傾向があります。
  • --s <value> (スタイライズ): 画像の芸術的なスタイルをどの程度強く反映させるかを調整します。値が大きいほど、より芸術的で独創的な画像になります。デフォルト値は100です。
  • --chaos <value> (カオス): 生成される4枚の画像のバリエーションの多様性を調整します。値が大きいほど、より多様で予期せぬ結果が得られます。0から100までの値を指定できます。
  • --iw <value> (イメージウェイト): リファレンス画像を使用する際に、その画像がプロンプトに与える影響の強さを調整します。値が大きいほど、リファレンス画像に忠実な画像が生成されます。

ネガティブプロンプト (--no)

画像に含めたくない要素を指定するためのパラメータです。--noに続けて、除外したいキーワードを入力します。

使用例:

/imagine prompt: a beautiful landscape --no people (人物を含まない美しい風景)

重み付け (::)

プロンプト内の特定のキーワードの重要度を調整する機能です。キーワードの後に::と数値を入力することで、そのキーワードが画像生成に与える影響を強めたり弱めたりできます。

使用例:

/imagine prompt: space::2 ship::1 (「ship」よりも「space」を2倍重要視する)

マルチプロンプト

複数のプロンプトを組み合わせることで、より複雑な画像を生成するテクニックです。::で区切ることで、複数の概念を1つの画像に融合させることができます。

使用例:

/imagine prompt: a cat:: and a dog:: playing together (猫と犬が一緒に遊んでいる)

リファレンス画像の使用

既存の画像をプロンプトに含めることで、その画像のスタイルや構図を参考に新しい画像を生成することができます。Discordに画像をアップロードし、その画像のURLをプロンプトの先頭に貼り付けます。

使用例:

/imagine prompt: [画像のURL] a portrait of a man in the style of Van Gogh (指定した画像のURLを参考に、ゴッホ風の男性の肖像画を生成)

シード値の活用 (--seed)

Midjourneyは、画像を生成する際にランダムな「シード値」を使用します。このシード値を固定することで、同じプロンプトで常に同じような画像を生成することができます。過去に生成した画像のシード値は、その画像にリアクション(封筒の絵文字)を送ることで確認できます。確認したシード値を--seed <value>のようにプロンプトに追加することで、画像の再現性を高めることができます。

これらの高度なテクニックを組み合わせることで、あなたの創造性をさらに引き出し、まさに「想像通り」の画像を生成することが可能になります。

5. スタイルと表現のコントロール

Midjourneyでは、プロンプトを工夫することで、生成される画像のスタイルや表現を細かくコントロールすることができます。これにより、あなたのイメージに合った芸術的な作品を生み出すことが可能になります。

アーティスト名や画風の指定

特定のアーティストの名前や画風をプロンプトに含めることで、そのアーティストの特徴を反映した画像を生成できます。例えば、in the style of Van Goghby Leonardo da Vinciのように指定します。

使用例:

/imagine prompt: a starry night over a modern city, in the style of Van Gogh (ゴッホ風の現代都市の星月夜)

また、特定の芸術運動やジャンルを指定することも有効です。impressionism, surrealism, cyberpunk, steampunkなどが挙げられます。

照明、構図、アングルの指定

画像の雰囲気や視覚的なインパクトは、照明、構図、アングルによって大きく左右されます。これらをプロンプトに含めることで、よりドラマチックな画像を生成できます。

  • 照明: golden hour lighting, cinematic lighting, soft studio lighting, neon glow, backlightなど。
  • 構図: close-up, wide shot, full body shot, dutch angle, low angle, high angle, rule of thirdsなど。
  • アングル: from above, from below, eye-level shotなど。

使用例:

/imagine prompt: a lone samurai standing on a mountain peak, cinematic lighting, wide shot, from below (山頂に立つ孤独な侍、映画のような照明、ワイドショット、ローアングル)

被写体の詳細な描写

主役となる被写体やオブジェクトを詳細に描写することで、AIがより正確にあなたの意図を理解し、細部までこだわった画像を生成します。色、素材、質感、状態などを具体的に記述しましょう。

使用例:

/imagine prompt: a vintage red sports car, polished chrome, worn leather seats, parked on a cobblestone street, rainy day (ヴィンテージの赤いスポーツカー、磨かれたクローム、使い古された革のシート、石畳の通りに駐車、雨の日)

これらのテクニックを組み合わせることで、単なる「画像」ではなく、あなたの創造性が反映された「作品」をMidjourneyで生み出すことができるでしょう。

6. トラブルシューティングと改善のヒント

Midjourneyで画像を生成する過程では、時に期待通りの結果が得られないこともあります。しかし、それは失敗ではなく、改善のための貴重なヒントです。ここでは、よくある問題とその対処法、そしてより良い結果を得るための考え方を紹介します。

期待通りの画像が生成されない場合の対処法

  • プロンプトの見直し: 最も重要なのはプロンプトです。キーワードが曖昧ではないか、不要な言葉が含まれていないか、具体的な描写が不足していないかを確認しましょう。特に、複数の概念を混ぜる場合は、それぞれの要素が明確に伝わるように工夫が必要です。
  • パラメータの調整: --s(スタイライズ)や--chaos(カオス)の値を調整してみましょう。--sを低くするとプロンプトに忠実な画像になりやすく、--chaosを低くするとバリエーションが少なくなり、より安定した結果が得られます。
  • ネガティブプロンプトの活用: 意図しない要素が頻繁に現れる場合は、--noパラメータを使ってそれらを除外しましょう。例えば、--no textで文字の生成を防ぐことができます。
  • リファレンス画像の活用: イメージが明確にある場合は、似たような画像をリファレンスとして使用することで、AIがあなたの意図をより正確に理解しやすくなります。
  • シード値の固定: 良い結果が得られたプロンプトで、少しだけ変更を加えたい場合は、その画像のシード値を固定して再生成することで、一貫性を保ちつつ調整が可能です。

試行錯誤の重要性

Midjourneyでの画像生成は、まるでAIとの対話のようなものです。一度で完璧な結果が得られることは稀であり、何度も試行錯誤を繰り返すことが上達への近道です。

  • 小さな変更から始める: プロンプトを大きく変えるのではなく、キーワードを一つ追加したり、パラメータの値を少し変えたりするなど、小さな変更から試してみましょう。これにより、何が結果に影響を与えているのかを把握しやすくなります。
  • 複数のバリエーションを試す: 生成された4枚の画像の中から、最もイメージに近いものを選び、そのバリエーションをさらに生成してみましょう。Vボタンを積極的に活用することで、より理想に近い画像にたどり着けることがあります。
  • 失敗から学ぶ: 期待外れの結果が出たとしても、それがなぜそうなったのかを分析しましょう。どのキーワードが意図しない結果を招いたのか、どのパラメータが強すぎたのかなどを考えることで、次のプロンプト作成に活かせます。

コミュニティからの学び

Midjourneyの公式Discordサーバーには、世界中のユーザーが日々画像を生成し、共有しています。他のユーザーのプロンプトや生成された画像を参考にすることで、新たな発見やインスピレーションを得ることができます。

  • 「newbies」チャンネルの観察: 他のユーザーがどのようなプロンプトを使い、どのような画像を生成しているかを観察しましょう。特に、成功しているプロンプトは参考になります。
  • 「showcase」チャンネルの閲覧: 高品質な画像が共有されているチャンネルを閲覧し、どのようなプロンプトが使われているかを研究しましょう。
  • プロンプトの共有: 自分が生成した良い画像を共有し、他のユーザーからのフィードバックを得ることも、スキルアップにつながります。

これらのヒントを参考に、Midjourneyでの画像生成を楽しみながら、あなたのスキルを向上させていきましょう。

7. 最新情報と今後の展望

Midjourneyは常に進化しており、新しいバージョンや機能が定期的にリリースされています。最新の情報を把握し、それらを活用することで、より高度な画像生成が可能になります。

Midjourney V7などの最新バージョン情報

2025年には、MidjourneyのモデルがVersion 7(V7)にアップデートされ、人物の描写力やスタイル再現能力がさらに向上しています。V7は、よりリアルで詳細な画像を生成できるだけでなく、プロンプトの解釈精度も高まり、ユーザーの意図をより正確に反映できるようになりました。[^2]

新しいバージョンがリリースされるたびに、その特徴や最適なプロンプトの書き方を学ぶことが、常に最先端の画像生成を行う上で重要です。

Web版の活用

これまでのMidjourneyはDiscord上での操作が主でしたが、Web版インターフェースも提供され始めています。Web版では、より直感的な操作が可能になり、Discordに慣れていないユーザーでも手軽にMidjourneyを利用できるようになります。Web版の機能は今後も拡充される予定であり、より多くのユーザーにとってアクセスしやすい環境が整っていくでしょう。

動画生成機能(今後の展望)

Midjourneyは、静止画の生成だけでなく、動画生成機能の開発も進めています。すでに一部のユーザーにはテスト版が提供されており、テキストプロンプトから短時間の動画クリップを生成する機能が実装され始めています。将来的には、より長尺で複雑な動画の生成も可能になることが期待されており、クリエイティブな表現の幅がさらに広がるでしょう。[^3]

Midjourneyの進化は止まることなく、今後も様々な新機能や改善が加えられていくことが予想されます。常に最新情報をキャッチアップし、新しい技術を積極的に取り入れることで、あなたのクリエイティブな可能性は無限に広がります。

[^2]: 【2025年最新版】Midjourneyとは?使い方・料金・活用事例を完全解説: https://note.com/fuku_k_marvel/n/n5021ebedea63
[^3]: Midjourney 最新ニュース(2025年7月31日): https://note.com/akisuke0925/n/n8222c020a3bd

8. まとめ

Midjourneyは、テキストから驚くほど高品質な画像を生成できる強力なツールです。しかし、「想像通り」の画像を生成するためには、単にプロンプトを入力するだけでなく、その背後にあるメカニズムを理解し、様々なテクニックを駆使する必要があります。

この記事では、Midjourneyの基本的な使い方から、プロンプト作成の基礎、高度なパラメータの活用、スタイルと表現のコントロール、そしてトラブルシューティングのヒントまで、幅広く解説しました。重要なポイントを再確認しましょう。

  • プロンプトの具体性: 具体的で簡潔な英語のキーワードを選び、AIに明確な指示を与えましょう。
  • パラメータの活用: --ar, --v, --s, --chaos, --noなどのパラメータを使いこなし、画像を細かくコントロールしましょう。
  • 試行錯誤: 一度で完璧な結果が得られなくても、小さな変更を加えながら何度も試すことが重要です。
  • 最新情報のキャッチアップ: Midjourneyは常に進化しています。新しいバージョンや機能、Web版の活用、動画生成機能など、最新情報を積極的に取り入れましょう。

Midjourneyは、あなたの創造性を無限に広げる可能性を秘めています。この記事で学んだ知識とテクニックを活かし、ぜひあなただけの「想像通り」の画像を生成してみてください。そして、AIとのクリエイティブなコラボレーションを存分に楽しんでください。

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